乃木坂46を一日一曲語る 8日目『心の薬』
はい、どうも。「まじめにふまじめ」をモットーにやってます、いたがきです。
乃木坂46を一日一曲語る。8日目は『心の薬』です。
(2020年4月27日追記)この記事を加筆修正してnoteに投稿しました。今後はnoteにて投稿を続けますので、よろしければフォローお願いします。
今日のこばなし-一週間で企画1,000個出す〈前半〉-
僕ね、You Tubeを始めたいなと思ってるんです。
ところが、具体的に何系の動画を出すのかと言うと、なにか「面白いこと」としか考えてないんです。しかも、驚いたことに僕はこんな状態で友達に「一緒にYouTubeをやんないか」と誘おうとしているのです。まあさすがに今の状態でOKをもらうのは厳しいでしょう。そこで思いついた作戦が、企画を1,000個見せて「もし一緒にやってくれないのなら、この企画書はお前の手で燃やしてくれ」という口説き文句を決めるという名付けて【こいつにはやると言ったらやる...『スゴ味』があるッ!】作戦です。
友達を巻き込まないでひとりでやれよという意見に対する釈明は、後半でさせてください。一旦スタジオにお返しします。
To Be Continued
『心の薬』ってどんな曲?
『心の薬』は2012年5月2日にリリースされた乃木坂46の2ndシングル『おいでシャンプー』の全タイプに収録されています。
歌唱メンバー
歌唱メンバーは、「おいでシャンプー」選抜16名に、伊藤万理華、永島聖羅、深川麻衣、大和里菜を加えた計20名です。*1
センター
センターは生駒ちゃん(生駒里奈)が務めています。
曲調
この曲はアニメ関係の楽曲を多く手掛けているMIKOTO氏による作曲です。アップテンポな曲ながらどことなくゆったりした印象で、曲名の通り傷心しているときに聴くと気分を癒やしてくれるようなメロディです。ライブではいくちゃん(生田絵梨花)がピアノ伴奏を担当することもあるそうです。
MV(ミュージックビデオ)
この曲のMVは作られていません。
『心の薬』を語る
僕の正直な感想は、平均点です。心安らぐメロディと、優しく寄り添ってくれるような温かい歌詞は決して悪くわないんですけど、それだけなんですよね。初期の似たような系統である『失いたくないから』とか『白い雲にのって』のほうが歌詞の深みとかメンバーと曲の相性の良さで『心の薬』を上回ってる気がします。
まあでも、人それぞれでハマる曲とそうでない曲があるのも乃木坂46の、というより「作詞:秋元康 / 作曲:〇〇」のシステムの面白さだと思います。
何のために生きるの?
何のための命
落ち込んだり
凹んだり
もう一度立ち上がれ
- 出典:『心の薬』/ 作詞:秋元康 作曲:MIKOTO
とっても悲しい時って、自分がどうして生きているのかもわかんなくなったりしますよね。でも結局、人間にできるのはもう一度前を向くことだけです。
涙が心を洗い流せば気分は楽になります。そしたらもう一度立ち上がりましょう!
「あなたが失敗したと思わないかぎり、あなたが失敗することはない」、誰の言葉だったかな...
おわりに
この曲があんまり僕に響かないのは、僕が本当の悔し涙をまだ知らないからなのだろうか。日々精進します。
「なんか訳わかんないこと言ってるヤツがいるぞ」でも「なんかコイツ面白くない?」でもいいのでぜひこの記事をSNSでシェアしてください!切なる願いです。
では、また明日。 stay tuned!
乃木坂46を一日一曲語る 7日目『おいでシャンプー』
はい、どうも。「まじめにふまじめ」をモットーにやってます、いたがきです。
乃木坂46を一日一曲語る。7日目は『おいでシャンプー』です。
(2020年4月27日追記)この記事を加筆修正してnoteに投稿しました。今後はnoteにて投稿を続けますので、よろしければフォローお願いします。
今日のこばなし-十年後のキミへ-
このブログは誰に向けて書いているのか?その答えがなかなか出ないまま、一週間記事を書き続けました。『乃木どこ』や『乃木中』の小ネタをはさんだりしながら硬すぎない文章を書きたいという気持ちと、まだ乃木坂を知らない人に乃木坂46の楽曲の魅力を知ってほしいという気持ちの両方があって、どうすればどちらも出していけるか試行錯誤が続いています。
それでも一つ思いついたことがあります。それは「十年後にこのブログを読む人に向けて書こう」ということです。
いま乃木坂にハマっている人、あるいはありがたいことにこのブログから乃木坂を好きになってくれる人が、十年後にもう一度このブログを読んだ時に「懐かしいなぁ」とか「へぇ~、これは新発見!」みたいに楽しんでくれたら幸せだなぁと思います。
さらには、十年後に乃木坂46の存在を知った人が、このブログを片手に乃木坂の曲を聴いてくれたらそれ以上の喜びはありません。
というわけで、今日も張り切っていきましょう!
『おいでシャンプー』ってどんな曲?
『おいでシャンプー』は2012年5月2日にリリースされた乃木坂46の2ndシングル『おいでシャンプー』の表題曲です。
歌唱メンバー
歌唱メンバーは生田絵梨花(2)、生駒里奈(2)、市來玲奈(2)、井上小百合(2)、岩瀬佑美子(初)、斉藤優里(2)、桜井玲香(2)、白石麻衣(2)、高山一実(2)、中田花奈(2) 、西野七瀬(2)、橋本奈々未(2)、畠中清羅、(初)、星野みなみ(2)、松村沙友理(2)、宮澤成良(初)、の2ndシングル選抜メンバーの16名です。(かっこ内は選抜回数。太字は「乃木坂七福神」)*1
センター
センターは1stシングル『ぐるぐるカーテン』に引き続き生駒ちゃん(生駒里奈)が務めています。
AKB48との直接対決
『おいでシャンプー』は、指原莉乃(AKB48)のソロデビューシングル『それでも好きだよ』と同日に発売されています。AKB48関連のCDが同日に発売されたことは過去になく、“AKB48の公式ライバルグループ”である乃木坂46を含めても初めてのことであったため、「ライバル対決」と話題になりました。結果はデイリーチャート初日の売上、週間チャートともに乃木坂46の勝利に終わりました。(まあ、グループ対ソロですけどね)
幻のフリ
実はこの曲には振り付けが変更された箇所があります。その騒動の一部始終は下の記事でご覧ください。まあひとことで言うと不評だったんですね。
MV(ミュージックビデオ)
内容は反抗をテーマにドラマ風に描かれていて、女子校で学則を破ったために退学処分がくだされて納得がいかない女子生徒たちが学校をバリケードで封鎖するというストーリーになっています。歌衣装は堀越絹衣が担当。振付は南流石が担当しており、間奏の振り付けは変更前のものになっています。(残念ながらShort Ver.だと見れないんですが)
MV中に指原莉乃が登場していますが、これもShort Ver.だと見れません。いまフルで見れている曲のMVもいきなりShort Ver.にされる可能性があるのでご注意ください。
「ナカダカナシカ」コール
『おいでシャンプー』にはライブに行ったことがない僕でも知っているくらい超有名なコールがあります。それが「ナカダカナシカ」コールです。本作でフロントメンバーに選ばれている中田花奈が由来となっており、かなりん(中田花奈)は『乃木どこ』内で、「おいでシャンプーの頃が(自身の)アイドルとしてのピーク」と自虐的に発言していたこともありました。この曲以降のかなりんのポジションを見ると、たしかに否定はできない...
詳しい内容は上のサイトでわかりやすくまとまってます。僕はオリラジ藤森が歌うナカダカナシカも好きです。*2
『おいでシャンプー』を語る
とにかくメロディが最高です。乃木坂46の全楽曲の中でも屈指の耳に残りやすいメロディです。出だしのピアノからもう心掴まれます。重厚感もありつつ心地が良くてノリやすさもある超好きな曲です。
歌詞はけっこうそのままな感じです。なかなかにフィクションな設定ではありますが、男女(女子どうしでもいいと思う)でたまにふざけたりしながらプールそうじをしているというものです。
何だその勝ち組なシチュエーションは!?というのは一旦置いといて、少しだけ歌詞を見てみましょう。
振り向いた時
スローモーションで
揺れる髪
君の予告が
甘く切なく
届いたよ僕に
女の子が振り返るときのあのドキドキする感じを見事に表現しています。まるでその女の子の髪からシャンプーの香りが「今からこの子があなたの方に振り向きますよ」という予告のように、一足先に僕のとこまでやって来たような感覚。そんな一瞬の出来事が「スローモーション」という言葉によってよりダイナミックに青春の1ページとして表現されています。
乃木坂46の、ひいては秋元康の詞を語る上でもっとも重要なテーマのひとつが「永遠は短い」*3です。
『おいでシャンプー』の詞からも感じられるように、青春が甘くて切なく、美しくて儚い理由は「永遠は短い」からであり、ゆえに青春は「短い永遠」であると言えます。
このテーマは乃木坂46の楽曲に度々出てくるので、これからじっくり丁寧に言語化していきたいと思います。
おわりに
初期の乃木坂46の楽曲ってちょっとユリっぽさがあって、早々に男女の恋愛の歌と決めつけちゃいけない気がするんですよね。今日の記事を書いていて、女性の方に『おいでシャンプー』がどういうふうに聞こえているのか僕には想像がつかないのがちょっと歯がゆかったです。
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では、また明日。 stay tuned!
*1:乃木坂46運営委員会(運営)は、レッスンの成果や公式サイトの反響などを総合して、全メンバーの中から選抜メンバーを決定する。さらに、運営は、「選抜メンバーの中の選抜メンバー」として福神を決定する。「福神」は、主にシングル発表ごとに選ばれ、表題曲のフォーメーション(並び順)の前列・中列を占める。当初は7人だったため乃木坂七福神と呼ばれていたが、4thシングル以降は人数が変動するようになったため、現在では単に「福神(メンバー)」と呼ばれている。このように、乃木坂46の「福神」はシングルごとに選ばれる点と、運営が正式に発表している点で、AKB48の「神7」とは異なる。
*2:『らじらー!サンデー』にかなりんがゲストで来る時は「俺のナカダカナシカ」のコーナーをやるのが定番になっている。リスナーから投稿された文章をオリエンタルラジオの藤森慎吾が「ナカダカナシカ」コールに乗せて歌うというもので、藤森はコールの最後の音程が違うと度々指摘されているが、「こっちのほうがノリやすい」と頑なに音程を変えず、むしろ一部のファンが藤森の音程に引っ張られ混乱する事態が起きている(笑)
*3:2014年10月8日にリリースされた10枚目シングルの表題曲『何度目の青空か?』の一節。僕の心を震わせた言葉であり、SHOWROOM代表取締役の前田裕二も著書『メモの魔力』でこの表現について言及している。
乃木坂46を一日一曲語る 6日目『白い雲にのって』
はい、どうも。「まじめにふまじめ」をモットーにやってます、いたがきです。
乃木坂46を一日一曲語る。6日目は『白い雲にのって』です。
(2020年4月23日追記)この記事を加筆修正してnoteに投稿しました。今後はnoteにて投稿を続けますので、よろしければフォローお願いします。
今日のこばなし -世界は広すぎて-
このブログを書き始めてはや一週間。やはり一番の課題は認知してもらえないことでした。内容は本当に僕が思ってることを書いているので、99人に鼻で笑われても「面白いじゃん!」って言ってくれる1人がいればいいやって感じです。ただそのためにはまず100人の目に触れさせなければなりません。
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この文言をブログの最後に毎日いれるかどうかはまだ悩み中。
『白い雲にのって』ってどんな曲?
『白い雲にのって』は2012年2月22日にリリースされた1stシングル『ぐるぐるカーテン』の通常盤に収録されています。
センターは生駒ちゃん(生駒里奈)、歌唱メンバーは『ぐるぐるカーテン』選抜メンバーに、安藤、岩瀬、川後、斎藤ちはるを加えた20名です。*1
ユニゾン*2を多用した、いかにも初期の乃木坂46っぽい曲です。リズムに合わせて横揺れするととても心地良いです。
この曲のMVは作られていません。
猿岩石の大ヒット曲『白い雲のように』*3と名前が似ているため、正しい曲名が思い出せなくなることがあります(笑)
『白い雲にのって』を語る
雲を見上げて寝そべりながら聞いているような感覚になる、とにかく心地が良い曲です。
いい人とか悪い人
そんなに差はないんだよ
のほほんとした平和主義な歌詞、だけで終わらせてもいいんですけど、この歌詞で僕が思い浮かべたのはニュース番組です。「報道されている事件の犯人や不倫した芸能人」と、「その人を辛辣に批判するキャスターやコメンテーター」とを分けているものは何なのか。そのきっかけはたった一つのボタンの掛け違いではないでしょうか。
「いい人」と「悪い人」を決めるのは、ちょっとした運命のいたずらな気がします。
「白い雲」に何か特別な意味があるのかな?と思い調べてみると、ヘルマン・ヘッセ*4
の『白い雲』という詩があることがわかりました。著作権の関係で転載はできないんですけど、尾崎喜八という方の翻訳がとても良かったので下のリンクからご覧ください。
この詩では「白い雲」に内包されている2つのイメージが表現されています。
1つは純粋無垢で自由気ままな存在というイメージです。過去に桃子(大園桃子)が明石家さんまに「真っ白やな、キミ!」と言われていたのはこれと非常に近いものがあります。*5
2つ目は長い旅路の中でありとあらゆる喜びや悲しみを経験してきたというイメージです。だからこそ、家なき者(拡大解釈すると我が道を行く者)にとって「白い雲」は自分と一緒に旅する親しい存在だし、自分にとって支えとなる存在なのです。
『白い雲にのって』は「純粋無垢な存在でありながら、喜び悲しむ姿には誰もが共感や親しみを持てる存在」という理想のアイドル像を「白い雲」に託した曲なのかもしれません。
おわりに
ヘルマン・ヘッセの『白い雲』を秋元康が知っていたのかは定かではありませんが、曲を掘下げているうちに意外な新発見があるのはとっても楽しいことです。
では、また明日。stay tuned!
*1:安藤美雲、生田絵梨花、生駒里奈、市來玲奈、井上小百合、岩瀬佑美子、川後陽菜、川村真洋、齋藤飛鳥、斎藤ちはる、斉藤優里、桜井玲香、白石麻衣、高山一実、中田花奈、西野七瀬、能條愛未、橋本奈々未、星野みなみ、松村沙友理
*2:この場合、複数のメンバーで1つの旋律を歌うという意味。いわゆるハモリとは対極のもので、アイドルの楽曲にしばしば用いられる。
*3:猿岩石は1994年4月に結成、2004年に解散したお笑いコンビ。メンバーは有吉弘行と森脇和成。当時、人気番組だった『進め!電波少年』の人気企画「ユーラシア大陸ヒッチハイク横断」でブレイク。1997年に秋元康のプロデュースにより、藤井フミヤ、藤井尚之兄弟提供の『白い雲のように』をリリースしてミリオンヒットを記録した。
*4:ドイツ生まれのスイスの作家。主に詩と小説によって知られる20世紀前半のドイツ文学を代表する文学者である。著作『少年の日の思い出』は中学校の国語の教科書にも採用されている。
*5:2017年12月18日に放送され、乃木坂46も出演した『第3回明石家紅白』(NHK総合)での出来事。シンガーソングライターの高橋優が書き下ろし、大竹しのぶと明石家さんまの夫婦時代の爆笑エピソードを盛り込んだ楽曲『キライナヒト』をさんま、大竹、高橋の3人でスタジオ歌唱した際、大園桃子が感極まって涙を流した。涙の理由を聞かれ、「感動しました。嫌なことがいっぱいある世界で、離婚はしているけど、でも人はこんなにも愛されるんだなって思ったら、感動してきて…感動しました」と答えた桃子に対してさんまは「真っ白やな、キミ!」とそのピュアさを絶賛した。
乃木坂46を一日一曲語る 5日目『失いたくないから』
はい、どうも。「まじめにふまじめ」をモットーにやってます、いたがきです。
乃木坂46を一日一曲語る。5日目は『失いたくないから』です。
(2020年4月23日追記)この記事を加筆修正してnoteに投稿しました。今後はnoteにて投稿を続けますので、よろしければフォローお願いします。
今日のこばなし -教室の後ろのストーブ-
先日、大学のキャリア教育の一環で、現役の小学校教員の話を聞きました。教職のブラックな実態や深刻化する登校拒否について包み隠さず話してくれる先生で、僕も興味深く聞いていました。
その中で僕が一番印象に残ったのは、その先生が務める小学校の教室にある備え付けの石油ストーブの写真でした。その時の率直な感想は「乃木坂の歌詞に出てきそうだなぁ」でした。
そのストーブは教室の後ろに設置されていて、暖かくなる筒状のパーツと、おそらくは燃料を入れておくための直方体のパーツを合体させた構造になっていました。周囲を金網で囲われており、かなり大きくて燃費の悪そうなフォルムはどこか古めかしさを帯びていて、冷えた体を温めようと児童たちが教室の後ろに集まってくる風景にはノスタルジーに近いものを感じました。
秋元先生、次のシングルにいかがですか?
『失いたくないから』ってどんな曲?
『失いたくないから』は2012年2月22日にリリースされた1stシングル『ぐるぐるカーテン』のType-Cに収録されています。
センターは生駒ちゃん(生駒里奈)といくちゃん(生田絵梨花)、歌唱メンバーは『ぐるぐるカーテン』選抜メンバーに、永島、中元、畠中、深川を加えた20名です。*1
アイドルの王道を行く曲というのが一般的な評価です。「懐かしい」感じのサウンドと、秋元康の真骨頂とも言うべきまるで小説を読んでいるかのような深みを感じられる歌詞には根強い人気があります。
また、この曲は2015年1月7日リリースの1stアルバム『透明な色』のDISC2にも収録されています。このDISC2はアルバム用の新曲に加えて1st ~10thシングルに収録された全カップリング曲の中から1stアルバムに収録する曲を決める人気投票によって選ばれた10曲が収録されたものです。
『失いたくないから』のMVはフランスにいる少女をイメージしているそうで、まだ何者でもない女の子の姿と、メイクやチュチュで着飾ってアイドルになった女の子の姿を対照的に描いているんだとか。
『失いたくないから』を語る
女の子と、その子のことが好きな奥手な男の子とのひと夏の出来事を甘酸っぱさMAXに歌った名曲です。
水道の蛇口
顔を近づけ
冷たい水
喉に流し込む
斜めに見える
あの青空が
どんな時も僕の味方だった
- 出典『失いたくないから』/ 作詞:秋元康 作曲:蛯原ランス
「斜めに見える」というのは蛇口をちゃんと上に向けないで、顔をひねるように近づけて水を飲んでいるときに、まるで空が傾いているように見えるってことじゃないでしょうか。圧倒的青春感!秋元康、スゴすぎます。
『失いたくないから』は一つ続きの物語のような印象を受ける曲ですが、個々の風景描写はそれぞれ独立しているように思われます。これに関しては“春”さんという方がnoteで解説されているとおりです。
蝉の鳴き声に
ぐるりと囲まれた
校庭の土に染み込んだ
夏の微熱に
君の白いシャツとグレイのスカートが
蜃気楼のように
切なく揺れてた
- 出典『失いたくないから』/ 作詞:秋元康 作曲:蛯原ランス
人間っていうのは仮にすべての表現を完璧に想像出来なくても、自分の経験と結びついて強烈にイメージされる箇所があればそこからなんとなくストーリーが広がっていって、気がつくと歌の中の人物に感情移入してしまうものです。この曲は特に「青春時代の思い出・後悔」みたいなものが魂となって乗り移りやすい曲だと思います。
心の中に
静かに風が吹き始め
ふと本音が騒ぎ出す
誰かを好きになるのは
一人になりたくないから
- 出典『失いたくないから』/ 作詞:秋元康 作曲:蛯原ランス
わかり味が深すぎてつらいです。この男の子を悩ませているのは「好きと言う勇気がない」ことではなく「好きということを認めて恋にしていいのか」ということです。 不意に彼女への「好き」があふれてしまう瞬間があるんだけど、でもその気持ちを恋だと認めてしまったら「告白」しなければならなくなる。
一人になりたくないから誰かを好きになるのに、それを恋と認めて告白したらその人を失ってしまう可能性がある。
このジレンマが、(僕のような)奥手な男子にとっての普遍のテーマなのであります。
コンバースの紐
直す振りして
君のことだけ
ずっと見ていたよ
- 出典『失いたくないから』/ 作詞:秋元康 作曲:蛯原ランス
結局、上記のジレンマに悩まされる彼に今できることと言えば靴ひもを直すフリしてその子のことをずっと見るくらいです。でもなんかそれがなおさら彼の純粋さを際立たせていて、『コンバース』という絶妙なワードチョイスとも相まって爽やかなサビになってますよね。
ひっくり返した
バケツの後で
体育館の上
虹が架かってる
一緒に眺めた
僕らの空は
恋の仕方 教えてはくれない
- 出典『失いたくないから』/ 作詞:秋元康 作曲:蛯原ランス
「ひっくり返したバケツ」は土砂降りの雨の比喩です。
彼の理想は、「この子を好きな気持ちはただ自分の胸の内にしまっておけばそれでいい。恋愛じゃなくていいからこの子と一緒にいたい。」でしょう。しかし、こんな悟りの境地みたいなことが実際に可能なのでしょうか?
少なくとも、虹を一緒に眺めているときは「恋」とか「告白」って言葉が脳裏をよぎっていると思います。だからこそ、頑張って悟りを開こうとしていた時は「僕の味方」だった空が、虹を見ている時には「恋の仕方 教えてはくれない」のではないでしょうか。
こういう奥手な男の子が出てくる曲は他にもあって僕は特に『今、話したい誰かがいる』が好きです。*2
今までならきっと逃げてただろう
君のことを失うのが怖い
片思いなら黙っていればいい
両思いなら気づかなければいい
- 出典『今、話したい誰かがいる』/ 作詞:秋元康 作曲:Akira Sunset・APAZZI
おわりに
『失いたくないから』が帯びる古めかしさとノスタルジーには「教室の後ろのストーブ」と近いものを感じます。
では、また明日。stay tuned!
乃木坂46を一日一曲語る 4日目『会いたかったかもしれない』
はい、どうも。「まじめにふまじめ」をモットーにやってます、いたがきです。
乃木坂46を一日一曲語る。4日目は『会いたかったかもしれない』です。
(2020年4月23日追記)この記事を加筆修正してnoteに投稿しました。今後はnoteにて投稿を続けますので、よろしければフォローお願いします。
今日のこばなし-マクドナルド-
最近、僕の近所のマックが次々に店舗リニューアルしています。そして改装後はどこも開放感や落ち着いた雰囲気と引き換えに中高生の溜まり場という顔を失ってしまいます。
長時間居座ったり、勉強をしたりしているガキどもを追い出して、クリーンで回転率のいい環境を整えたいのでしょう。それは何も間違ったことじゃないので反論の余地はありません。
でも、だからなおさら、学校に行く感覚でマックに入り浸っていた時期もあった僕の憩いの場が壊されてしまうさみしさ、奪われてしまう悔しさみたいなのがあります。初森公園が取り壊されると知ったときのななまるやコテの気持ちに似ているのかもしれません。*1
いや、まあホントにマクドナルドは何も悪くないし、これからも利用するんですけどね。
『会いたかったかもしれない』ってどんな曲?
『会いたかったかもしれない』は2012年2月22日にリリースされた1stシングル『ぐるぐるカーテン』のType-Bに収録されています。ちなみにこのType-Bには『ぐるぐるカーテン』『会いたかったかもしれない』のMVとメンバー個別ショートムービー『33人のクリエイター×乃木坂46』が収録されたDVDも付いています。
センターは生駒ちゃん(生駒里奈)、歌唱メンバーは『ぐるぐるカーテン』選抜メンバーに、伊藤寧々、伊藤万理華、衛藤、宮澤を加えた20名です。*2
2006年にリリースされたAKB48のメジャーデビューシングル『会いたかった』をロ長調からホ短調にマイナーロックアレンジしたもので、歌詞や振り付けは『会いたかった』と全く一緒という変わった曲です。
MVも『会いたかった』と同じロケーション、同じ構図で作られていますが、『会いたかった』が真夏に撮影されたのに対し『会いたかったかもしれない』は真冬に撮影が行われました。また、MV中に前田敦子がサプライズ出演しています。*3
乃木坂46 『会いたかったかもしれない』Short Ver.
非公式ではありますが、You Tubeで『会いたかった』と『会いたかったかもしれない』のMV比較動画が見れます。
『会いたかったかもしれない』を語る
この曲が乃木どこ*4でお披露目されたときにはTwitterなどネット上で賛否両論あったみたいです。まあそりゃそうでしょうね。『会いたかった』と作詞/作曲は同じなのでパクリって言うのは違うんですけど、「公式ライバルって言っときながらおもいっきりAKBのふんどしはいて相撲してんじゃん!」っていう意見は一理あると思います。
ただ、バカみたいに深読みすると、“秋元康”プロデュース・“AKB48”の公式ライバルなんてメディアから注目されない訳ないし、そこそこのセールスは保証されているようなもんです。その中でどうやって「不完全さ」や「やらされている感」*5みたいな応援したくなるアイドルの要素を持たせていくか考えた結果、なるべくスタート位置を低く見せるという作戦に出たんじゃないでしょうか。「なんだよこれただのパクリじゃん。公式ライバルとか言ってるけどAKB48の足元にも及ばねえな。」と言われても、これは私たちの曲ですという態度で一生懸命歌うことで、むしろそのやらされてる感や健気さみたいなものに心惹かれて応援したいと思った人も中にはいるんじゃないでしょうか。あくまで憶測ですが。
よくよく考えてみると、この曲、あるいは『会いたかった』のサビってどこからなんでしょうか?ホントは歌詞をいちいち引用するの面倒くさいんですけど、まあ順番に見ていきましょう。
会いたかった 会いたかった
会いたかった Yes!
会いたかった 会いたかった
会いたかった Yes!
君に...
-出典:『会いたかったかもしれない』/作詞:秋元 康 作曲:BOUNCEBACK
出だしの歌詞です。サビを最初にもってくるのはよくあることだし、今後の展開から考えてもこれがサビなのは間違いないです。
自転車全力でペダル
漕ぎながら坂を登る
風に膨らんでるシャツも
今はもどかしい
-出典:『会いたかったかもしれない』/作詞:秋元 康 作曲:BOUNCEBACK
Aメロですね。状況や風景をイメージさせるパートです。二番のAメロも同じ役割を担っています。
やっと気づいた 本当の気持ち
正直にゆくんだ
たったひとつこの道を
走れ!
-出典:『会いたかったかもしれない』/作詞:秋元 康 作曲:BOUNCEBACK
この部分がBメロです。ひとことで言うと主人公の意識改革を表現しているパートだと思います。二番のBメロも同様で、「よし、行こう!」と前向きな感情でペダルをグッと強く踏み込む主人公が目に浮かびます。
好きならば 好きだと言おう
誤魔化さず 素直になろう
好きならば 好きだと言おう
胸の内 さらけ出そうよ
-出典:『会いたかったかもしれない』/作詞:秋元 康 作曲:BOUNCEBACK
ここ!この部分はCメロなのかサビなのか?Bメロの終わりからこの部分にかけての盛り上がり方を見ると、サビなのかな~って気がします。ただ、この後の『会いたかった 会いたかった ...』のパートとの歌詞のつながりが薄い気がして、これらを同じサビと呼んでいいのかなという気もします。
さて、この疑問を解く手がかりはこれと同じパートに当たる二番の歌詞にありました。
誰よりも 大切だから
振られても 後悔しない
誰よりも 大切だから
この気持ち伝えたかった
-出典:『会いたかったかもしれない』/作詞:秋元 康 作曲:BOUNCEBACK
この歌詞を見たとき、この曲には2パターンの解釈ができることに気づきました。
- 告白しようと決心した主人公が、自転車でその人のところへ向かっている。そして、ようやく意中のその人に会えたとき「会いたかった」という気持ちがあふれ出た。このように考えると、『好きならば 好きだと言おう ...』と『会いたかった 会いたかった ...』の間には場面転換があって時間が一度途切れています。そうなると、問題のパートはCメロと考えるほうがしっくりきます。
- 好きな人に告白したが、フラれてしまった。だが正直に自分の気持ちを伝えたことに後悔はないので、もしあなたが自分の気持ちを伝えることにためらっているのなら、素直に好きって言ったほうがいいよというメッセージ。この解釈だと、会いたかった人に「会えた」、その上で「気持ちが伝えられた」だけでも主人公にとっては幸せなことであったと考えられます。つまり、問題のパートの歌詞と、『会いたかった 会いたかった ...』のパートの歌詞はどちらも過去の同じ出来事(好きな人に会って告白したがフラれたこと)を振り返って思いを語っていることになります。となるとこの2つのパートには「過去の同じ経験に関することをいま語っている」という時間的、意義的に一致する部分があるので、両者をひっくるめてサビと呼んでいいと思います。
みなさんはどちらの解釈のほうがしっくり来ますか?あるいはまた別の解釈ですか?コメントお待ちしてます。
シンプルなようでいて、なかなか奥の深い歌詞ですよね。ちなみに、『会いたかったかもしれない』より『会いたかった』のほうが音程の上下がはげしいので、個人的には後者のほうが歌いづらいです。もともとの音痴と相まってあまりにも音程がとれなかったので、『1本指ピアノ【会いたかった】AKB48 簡単ドレミ楽譜 初心者向け』を見ながら練習しました(笑)
1本指ピアノ【会いたかった】AKB48 簡単ドレミ楽譜 初心者向け
おわりに
- 『会いたかったかもしれない』を歌っているのに『会いたかった』の音程が邪魔してくることを「会いたかったかもしれない」といいます。
- 『会いたかった』を歌っているのに『会いたかったかもしれない』の音程が邪魔してくることを「会いたかったかもしれないかもしれない」といいます。
- あの人はひょっとして『会いたかった』を歌おうとしているけど『会いたかったかもしれない』の音程に邪魔されているのかな?というときは「会いたかったかもしれないかもしれないかもしれない」といいます。
では、また明日。stay tuned!
*1:初森公園は、2015年にテレビ東京系「ドラマ24」枠で放送された乃木坂46主演のドラマ『初森ベマーズ』内に登場する公園。町の再開発によって初森公園は取り壊されようとしていたが、主人公のななまる(演:西野七瀬)やコテ(演:高山一実)は再開発に抗議し、都市開発の会長の娘であるキレイ(演:白石麻衣)から、もしソフトボール大会で、ななまるの所属する「初森第二女子商業高等学校」がキレイの所属する「セント田園調布ポラリス学園」に勝つことができたら、再開発を白紙に戻すと提案されるところから物語が始まる。
*2:生田絵梨花、生駒里奈、市來玲奈、伊藤寧々、伊藤万理華、井上小百合、衛藤美彩、川村真洋、齋藤飛鳥、斉藤優里、桜井玲香、白石麻衣、高山一実、中田花奈、西野七瀬、能條愛未、橋本奈々未、星野みなみ、松村沙友理、宮澤成良。『会いたかった』と同数の20名になっている。
*3:前田敦子はAKB48の元メンバー。2012年にグループを卒業し現在は女優として活動している。『会いたかった』ではセンターを務めた。『会いたかったかもしれない』のMVで自転車を漕ぐ生駒ちゃんとあっちゃん(前田敦子)がすれ違うシーンは、作中で唯一の『会いたかった』のMVには無いカットである。
*4:2011年10月から2015年4月までテレビ愛知制作、テレビ東京系列で放送されていたテレビ番組『乃木坂ってどこ?』の略称。2015年4月より『乃木坂工事中』にリニューアルして現在も放送中。『会いたかったかもしれない』のスタジオライブは #15「メンバーを個人面談!あの曲を初披露!」内で披露。
*5:僕は初期の『乃木坂ってどこ?』の「右も左も分からない少女たちが“おとな”に無理矢理やらされている感」にとても惹かれるものがあった。過酷な状況下で急に光を放ち始める子がいて、次に光る子が誰なのか予測不能な感じが面白かった。しかし、この「やらされている感」が必ずしもアイドルに必要とは限らないし、どのようなアイドルが人の心を掴み、応援されるのかというのは常に更新されていくもののようにも思われる。
乃木坂46を一日一曲語る 3日目『乃木坂の詩』
はい、どうも。「まじめにふまじめ」をモットーにやってます、いたがきです。
乃木坂46を一日一曲語る。3日目は『乃木坂の詩』です。
(2020年4月21日追記)この記事を加筆修正してnoteに投稿しました。今後はnoteにて投稿を続けますので、よろしければフォローお願いします。
今日のこばなし ーツバメがこわいー
僕は鳥が全般的に苦手です。なぁちゃん(西野七瀬)は過去に『乃木坂ってどこ?』で「太った鳩を見るのが好き」と発言していましたが*1、僕には意味がわかりません。なぁちゃんは可愛いし、なぁちゃんに焼きそばパン買って来いって言われたら買ってくるけど、これだけは譲れないです。太った鳩なんて想像するだけでこわい。
そしてこの5月・6月にかけて最も僕を苦しめるもの、それがツバメです。
なんでそんな低いとこ飛ぶねん!
なんでそんないきなり背後から来んねん!!
なんでこんなに巣いっぱいあんねん!!!
お聞き苦しいエセ関西弁を失礼しました。でも本当に死ぬほどこわいんです。高校受験のときに読んだ評論でなるほどなと思ったのは「稲作が生活の中心だった時代、スズメはイネを食べる害鳥なので駆除の対象であった。一方、ツバメはイネについた虫を食べる益鳥なので手厚く保護されていた。」という内容です。その名残で日本人は今でもツバメを大事にするんだとさ。めでたしめでたし。。。全然めでたくねぇ。
『乃木坂の詩』ってどんな曲?
『乃木坂の詩』は2012年2月22日にリリースされた1stシングル『ぐるぐるカーテン』のType‐Aに収録されています。乃木坂46のシンボルになることを意図して作られたアンセム的な楽曲です。*2
歌唱メンバー
歌唱メンバーは休業中だったまなったん(秋元真夏)をのぞく発売当時の全メンバーです。*3
センター
センターは生駒ちゃん(生駒里奈)が務めています。
曲調
メンバーたちが高らかに力強く歌うのが印象的な曲で、聴いているうちに拳を突き上げたくなるような高揚感があります。
MV(ミュージック・ビデオ)
『乃木坂の詩』のMVは、いつの日か乃木坂46のメンバーたちが見直した時、あの時の想いを振り返ることができるようデビュー直後の何者でもない少女たちの門出の姿を記録に残したものだそうです。秋元康の指名でこのMVを監督した振付師の南流石は「いつの日かのライブで会場中のファンのみなさんと一緒に踊れたら」という願いをこの作品に込めました。
サイリウム
両手にサイリウムを持って行う振り付けが特徴的で、ライブではアンコールで披露するのが定番となっています。公式が振り付け動画をアップ(現在は公開していません。非公式ですが動画自体はYou Tubeで見れます)しているので、サイリウムを持っている人は色を紫×紫にして、サイリウムを持っていない人は割り箸*4で、やってみよう!
『乃木坂の詩』を語る
乃木坂がどこにあるかなんて
僕らは何も知らずに来たんだ
あやふやな夢を探してただけ
-出典:『乃木坂の詩』/作詞:秋元 康 作曲:井手 コウジ
彼女たちが乃木坂46に入った理由は本当にバラバラです。例えばこんな理由。
まいやん(白石麻衣)→かねてより東京に憧れを抱いていた。アイドルに興味はなかったが専門学校の担任の先生に強く勧められたためオーディションに応募。
ななみん(橋本奈々未)→生活に困窮していて、ロケ弁が出るという理由でオーディションに応募。
なぁちゃん・生駒ちゃんetc.→家族に勧められて、または家族が応募。
『あやふやな夢』には将来なりたい仕事というだけでなく、「自分を変えたい」「こんな人になりたい」といった現状からの脱出や内面的な目標も含まれていると思います。さらに言えば、アイドルという言葉の原義が「偶像」であるように、何をもって「アイドルになった」と言えるのかについてはっきりした定義はありません。100人いれば100通りのアイドル像があると思います。“自己実現”と“アイドル”にはとても近い性質があって、『あやふやな夢』という詞はそのことを的確に捉えた見事な表現だと思います。
そこに行ったら見つかると
前を歩いてた誰かに聞いて
気づいた時には坂を登ってた
-出典:『乃木坂の詩』/作詞:秋元 康 作曲:井手 コウジ
「誰か」を当時絶大な人気を誇っていたAKB48と考えると、この歌詞は「私たち乃木坂46はAKB48さんの公式ライバルとして憧れのあなた方を倒します。」という宣言と捉えることもできます。2012年1月19日の朝日新聞に掲載された『ぐるぐるカーテン』の全面広告は「拝啓 AKB48 様」で始まるAKB48への手紙という形式になっています。その手紙の中の「好きだから 超える。」というフレーズが全てを表していると思います。
いつのまにか 僕らは(知らず知らず)
何かに引き寄せられて(運命に)
登っているのか?(この瞬間(とき))
下りてるのか?(この場所)
問いかける心の坂道
-出典:『乃木坂の詩』/作詞:秋元 康 作曲:井手 コウジ
出ました!以前のブログでも触れましたが、秋元康はこの運命に導かれるっていう考え方が大好きっていうか、それに従って生きてるような人です。
それにしても、大学の講義をたまにサボりながらこうしてブログを書いてる僕は登っているのか下りているのか。(笑うところです)
さて、ここからは証明問題です。
四期生の『4番目の光』*6と三期生の『三番目の風』*7、二期生は少し違うけど『ボーダー』がそれに近いです*8。これらの曲には2つの共通点があります。
①その期のメンバー全員で歌唱している。
②乃木坂46のメンバーとして船出するにあたり、自分たちの立場と決意を表明する曲である。
では一期生ではどうでしょう?僕は『乃木坂の詩』がこれにあたると思います。
まず①について。オリジナルの歌唱メンバーは秋元真夏をのぞく当時の全メンバー(つまり一期生全員)です。ただしこの曲は一期生の曲という位置づけではないため、ライブのときは二期、三期も合わせて全員で歌います。しかしながら、発売当時この曲に「乃木坂46としてメジャーデビューするメンバー全員で歌わせる」という意図があったことは明らかです。
次に②について。これは先述のとおりです。AKB48の公式ライバルという立場。そしてそれぞれがあやふやな夢を探して運命的に集まり、同じ坂を登り始めた私たち。これから私たちはただ正面だけを見つめてこの坂をがむしゃらに登って行きます。という決意表明になっています。 Q.E.D.
一つだけ断っておくと、一期生には『against』*9という一期生の曲があります。これも確かに上の①と②を満たしているんですが、僕の考えだと『against』は『乃木坂の詩』の“第二章”あるいは“アンサーソング”という位置づけです。このへんのことは『against』のときに語ろうと思います。
おわりに
乃木坂46の一人称は〈僕〉だよなぁって話もしたかったんですけど、また別の曲で語ります。
なんかやけに注釈多くなっちゃったな。
では、また明日。stay tuned!
*1:『乃木坂ってどこ?』#31 はじめてのエピソードトークで爆笑連発
*2:アンセムとは元々は聖公会の教会音楽の一種。 聖歌、交唱賛美歌。 特定の集団のシンボルとしての賛歌、祝いの歌、祝曲。-Wikipediaより引用
*3:安藤美雲、生田絵梨花、生駒里奈、市來玲奈、伊藤寧々、伊藤万理華、井上小百合、岩瀬佑美子、衛藤美彩、柏幸奈、川後陽菜、川村真洋、齋藤飛鳥、斎藤ちはる、斉藤優里、桜井玲香、白石麻衣、高山一実、中田花奈、中元日芽香、永島聖羅、西野七瀬、能條愛未、橋本奈々未、畠中清羅、樋口日奈、深川麻衣、星野みなみ、松村沙友理、宮澤成良、大和里菜、若月佑美、和田まあや
*4:メンバーもサイリウムの代わりに割り箸を使って練習していた。NOGIBINGO!3の#12を参照。
*5:『乃木坂工事中』#34 若月佑美の脱マジメ化計画 で爆誕した伝説のネタ『箸くん』を披露する若月佑美。彼女はこのあと、良くも悪くも『箸くん』と長く付き合っていくことになる。
*6:2019年5月29日リリースの23枚目シングル『Sing Out!』Type-Dに収録。遠藤さくらがセンターを務める。
*7:2017年3月22日リリースの17枚目シングル『インフルエンサー』Type-Dに収録。大園桃子がセンターを務める。
*8:2015年3月18日リリースの11枚目シングル『命は美しい』通常盤に収録。正確には研究生から正規メンバーに昇格した二期生6人によるユニット曲。寺田蘭世がセンターを務める。
*9:2018年4月25日リリースの20枚目シングル『シンクロニシティ』カップリング曲。生駒里奈が最後にセンターを務めた曲であり、彼女のソロダンスパートがある。
乃木坂46を一日一曲語る 2日目『左胸の勇気』
はい、どうも。「まじめにふまじめ」をモットーにやってます、いたがきです。
乃木坂46を一日一曲語る。2日目は2012年2月22日にリリースされた1stシングル『ぐるぐるカーテン』の全タイプに収録されている『左胸の勇気』です。
(2020年4月19日追記)この記事を加筆修正してnoteに投稿しました。今後はnoteにて投稿を続けますので、よろしければフォローお願いします。
今日のこばなし ーTender Daysな喫茶店ー
昨日はちょっとしたミッションを遂行してきました。手順はこうです。
①入ったことのない喫茶店に単独で入店する。
②コードネーム:レイコー(アイスコーヒー)とコードネーム:青春の味(ナポリタン)を注文する。
③お会計のときに「ここでバイトしたいです」と伝える。
あえて言わせてもらうと、僕はかなりの人見知りです。店の前に来たときにはもう心臓バクバクでしたが、どうしても喫茶店でバイトしたいというあこがれがあって、掌を左の胸に押し当て勇気を出してドアを開けました。
結果から言うと、残念ながらバイトは断られてしまいました。しかしながら、「この店をオープンするまでの経緯」や「喫茶店の将来性」などについてマスターがいろんな話をしてくれました。結婚し、子供を育てながら現実的なおカネの問題ときちんと向き合って32年間お店を守り抜いてきたとても聡明な方で、本当に有意義な時間が過ごせました。
最後は「また来ます」なんて粋of粋なことを言って店を出ました(笑)THE・喫茶店のすごくいい雰囲気です。もう常連客になってしまいたいよ。グフフッ
『左胸の勇気』を語る
最古のアンダー曲と位置づけられており、センターを務めるのは2015年にグループを卒業し、今年6月3日に第一子が誕生した畠中清羅。
一番のサビの前半部分です。
君の掌を
胸の上
さあそっと押し当てて
脈を打つその鼓動
しっかり感じろよ
-出典:『左胸の勇気』/作詞:秋元 康 作曲:小内 喜文
この歌詞を「さあ、君の掌(てのひら)を私の胸に押し当てるのだ!そして、感じろ!これが私の鼓動だ!!」という意味だと勘違いしていたのが過去の僕です。「何よこれ、スポ根?それともセクハラ?いや状況的にはパワハラ?もしかして波紋使い!?」と迷走しながら国公立大の二次試験を受けに行ったのは今でも覚えています。
まあ真相はいたって簡単で、この曲は『スカパー!Jリーグ2012』の公式応援ソングとして書き下ろされたものです。つまり、左胸に手を当てるってのは国歌斉唱のときにサッカー選手がよくやってるアレのことですね。
全体的に、歌っている〈わたし〉から聞いている〈君〉への特にストーリー性のない応援歌なので、歌詞はあまり面白みが無いように感じてしまいます。ただ、
失敗なんかは
数えなくていい
立ち上がる回数
あきらめるな
-出典:『左胸の勇気』/作詞:秋元 康 作曲:小内 喜文
という歌詞は、ストレートな言葉を使いつつ、歌詞と歌詞の間にこの曲を聞いた人が意味を補うことで埋まる程度の余白が作られている気がして、すごいなあと思います。「立ち上がる回数あきらめるな」だけだと微妙に意味が通らなくないですか?
あと、乃木フェスの『左胸の勇気』は間奏がなんか叩いてて気持ちいい。
おわりに
この曲をよ~く聴くと、ドックンドックンっていう鼓動が聞こえてきます。
国歌斉唱のときに胸に手を当てるのはアメリカ合衆国の習慣だそうです。
しょうもないうんちくでシケた空気になったところで、では、また明日。