乃木坂46を一日一曲語る 4日目『会いたかったかもしれない』
はい、どうも。「まじめにふまじめ」をモットーにやってます、いたがきです。
乃木坂46を一日一曲語る。4日目は『会いたかったかもしれない』です。
(2020年4月23日追記)この記事を加筆修正してnoteに投稿しました。今後はnoteにて投稿を続けますので、よろしければフォローお願いします。
今日のこばなし-マクドナルド-
最近、僕の近所のマックが次々に店舗リニューアルしています。そして改装後はどこも開放感や落ち着いた雰囲気と引き換えに中高生の溜まり場という顔を失ってしまいます。
長時間居座ったり、勉強をしたりしているガキどもを追い出して、クリーンで回転率のいい環境を整えたいのでしょう。それは何も間違ったことじゃないので反論の余地はありません。
でも、だからなおさら、学校に行く感覚でマックに入り浸っていた時期もあった僕の憩いの場が壊されてしまうさみしさ、奪われてしまう悔しさみたいなのがあります。初森公園が取り壊されると知ったときのななまるやコテの気持ちに似ているのかもしれません。*1
いや、まあホントにマクドナルドは何も悪くないし、これからも利用するんですけどね。
『会いたかったかもしれない』ってどんな曲?
『会いたかったかもしれない』は2012年2月22日にリリースされた1stシングル『ぐるぐるカーテン』のType-Bに収録されています。ちなみにこのType-Bには『ぐるぐるカーテン』『会いたかったかもしれない』のMVとメンバー個別ショートムービー『33人のクリエイター×乃木坂46』が収録されたDVDも付いています。
センターは生駒ちゃん(生駒里奈)、歌唱メンバーは『ぐるぐるカーテン』選抜メンバーに、伊藤寧々、伊藤万理華、衛藤、宮澤を加えた20名です。*2
2006年にリリースされたAKB48のメジャーデビューシングル『会いたかった』をロ長調からホ短調にマイナーロックアレンジしたもので、歌詞や振り付けは『会いたかった』と全く一緒という変わった曲です。
MVも『会いたかった』と同じロケーション、同じ構図で作られていますが、『会いたかった』が真夏に撮影されたのに対し『会いたかったかもしれない』は真冬に撮影が行われました。また、MV中に前田敦子がサプライズ出演しています。*3
乃木坂46 『会いたかったかもしれない』Short Ver.
非公式ではありますが、You Tubeで『会いたかった』と『会いたかったかもしれない』のMV比較動画が見れます。
『会いたかったかもしれない』を語る
この曲が乃木どこ*4でお披露目されたときにはTwitterなどネット上で賛否両論あったみたいです。まあそりゃそうでしょうね。『会いたかった』と作詞/作曲は同じなのでパクリって言うのは違うんですけど、「公式ライバルって言っときながらおもいっきりAKBのふんどしはいて相撲してんじゃん!」っていう意見は一理あると思います。
ただ、バカみたいに深読みすると、“秋元康”プロデュース・“AKB48”の公式ライバルなんてメディアから注目されない訳ないし、そこそこのセールスは保証されているようなもんです。その中でどうやって「不完全さ」や「やらされている感」*5みたいな応援したくなるアイドルの要素を持たせていくか考えた結果、なるべくスタート位置を低く見せるという作戦に出たんじゃないでしょうか。「なんだよこれただのパクリじゃん。公式ライバルとか言ってるけどAKB48の足元にも及ばねえな。」と言われても、これは私たちの曲ですという態度で一生懸命歌うことで、むしろそのやらされてる感や健気さみたいなものに心惹かれて応援したいと思った人も中にはいるんじゃないでしょうか。あくまで憶測ですが。
よくよく考えてみると、この曲、あるいは『会いたかった』のサビってどこからなんでしょうか?ホントは歌詞をいちいち引用するの面倒くさいんですけど、まあ順番に見ていきましょう。
会いたかった 会いたかった
会いたかった Yes!
会いたかった 会いたかった
会いたかった Yes!
君に...
-出典:『会いたかったかもしれない』/作詞:秋元 康 作曲:BOUNCEBACK
出だしの歌詞です。サビを最初にもってくるのはよくあることだし、今後の展開から考えてもこれがサビなのは間違いないです。
自転車全力でペダル
漕ぎながら坂を登る
風に膨らんでるシャツも
今はもどかしい
-出典:『会いたかったかもしれない』/作詞:秋元 康 作曲:BOUNCEBACK
Aメロですね。状況や風景をイメージさせるパートです。二番のAメロも同じ役割を担っています。
やっと気づいた 本当の気持ち
正直にゆくんだ
たったひとつこの道を
走れ!
-出典:『会いたかったかもしれない』/作詞:秋元 康 作曲:BOUNCEBACK
この部分がBメロです。ひとことで言うと主人公の意識改革を表現しているパートだと思います。二番のBメロも同様で、「よし、行こう!」と前向きな感情でペダルをグッと強く踏み込む主人公が目に浮かびます。
好きならば 好きだと言おう
誤魔化さず 素直になろう
好きならば 好きだと言おう
胸の内 さらけ出そうよ
-出典:『会いたかったかもしれない』/作詞:秋元 康 作曲:BOUNCEBACK
ここ!この部分はCメロなのかサビなのか?Bメロの終わりからこの部分にかけての盛り上がり方を見ると、サビなのかな~って気がします。ただ、この後の『会いたかった 会いたかった ...』のパートとの歌詞のつながりが薄い気がして、これらを同じサビと呼んでいいのかなという気もします。
さて、この疑問を解く手がかりはこれと同じパートに当たる二番の歌詞にありました。
誰よりも 大切だから
振られても 後悔しない
誰よりも 大切だから
この気持ち伝えたかった
-出典:『会いたかったかもしれない』/作詞:秋元 康 作曲:BOUNCEBACK
この歌詞を見たとき、この曲には2パターンの解釈ができることに気づきました。
- 告白しようと決心した主人公が、自転車でその人のところへ向かっている。そして、ようやく意中のその人に会えたとき「会いたかった」という気持ちがあふれ出た。このように考えると、『好きならば 好きだと言おう ...』と『会いたかった 会いたかった ...』の間には場面転換があって時間が一度途切れています。そうなると、問題のパートはCメロと考えるほうがしっくりきます。
- 好きな人に告白したが、フラれてしまった。だが正直に自分の気持ちを伝えたことに後悔はないので、もしあなたが自分の気持ちを伝えることにためらっているのなら、素直に好きって言ったほうがいいよというメッセージ。この解釈だと、会いたかった人に「会えた」、その上で「気持ちが伝えられた」だけでも主人公にとっては幸せなことであったと考えられます。つまり、問題のパートの歌詞と、『会いたかった 会いたかった ...』のパートの歌詞はどちらも過去の同じ出来事(好きな人に会って告白したがフラれたこと)を振り返って思いを語っていることになります。となるとこの2つのパートには「過去の同じ経験に関することをいま語っている」という時間的、意義的に一致する部分があるので、両者をひっくるめてサビと呼んでいいと思います。
みなさんはどちらの解釈のほうがしっくり来ますか?あるいはまた別の解釈ですか?コメントお待ちしてます。
シンプルなようでいて、なかなか奥の深い歌詞ですよね。ちなみに、『会いたかったかもしれない』より『会いたかった』のほうが音程の上下がはげしいので、個人的には後者のほうが歌いづらいです。もともとの音痴と相まってあまりにも音程がとれなかったので、『1本指ピアノ【会いたかった】AKB48 簡単ドレミ楽譜 初心者向け』を見ながら練習しました(笑)
1本指ピアノ【会いたかった】AKB48 簡単ドレミ楽譜 初心者向け
おわりに
- 『会いたかったかもしれない』を歌っているのに『会いたかった』の音程が邪魔してくることを「会いたかったかもしれない」といいます。
- 『会いたかった』を歌っているのに『会いたかったかもしれない』の音程が邪魔してくることを「会いたかったかもしれないかもしれない」といいます。
- あの人はひょっとして『会いたかった』を歌おうとしているけど『会いたかったかもしれない』の音程に邪魔されているのかな?というときは「会いたかったかもしれないかもしれないかもしれない」といいます。
では、また明日。stay tuned!
*1:初森公園は、2015年にテレビ東京系「ドラマ24」枠で放送された乃木坂46主演のドラマ『初森ベマーズ』内に登場する公園。町の再開発によって初森公園は取り壊されようとしていたが、主人公のななまる(演:西野七瀬)やコテ(演:高山一実)は再開発に抗議し、都市開発の会長の娘であるキレイ(演:白石麻衣)から、もしソフトボール大会で、ななまるの所属する「初森第二女子商業高等学校」がキレイの所属する「セント田園調布ポラリス学園」に勝つことができたら、再開発を白紙に戻すと提案されるところから物語が始まる。
*2:生田絵梨花、生駒里奈、市來玲奈、伊藤寧々、伊藤万理華、井上小百合、衛藤美彩、川村真洋、齋藤飛鳥、斉藤優里、桜井玲香、白石麻衣、高山一実、中田花奈、西野七瀬、能條愛未、橋本奈々未、星野みなみ、松村沙友理、宮澤成良。『会いたかった』と同数の20名になっている。
*3:前田敦子はAKB48の元メンバー。2012年にグループを卒業し現在は女優として活動している。『会いたかった』ではセンターを務めた。『会いたかったかもしれない』のMVで自転車を漕ぐ生駒ちゃんとあっちゃん(前田敦子)がすれ違うシーンは、作中で唯一の『会いたかった』のMVには無いカットである。
*4:2011年10月から2015年4月までテレビ愛知制作、テレビ東京系列で放送されていたテレビ番組『乃木坂ってどこ?』の略称。2015年4月より『乃木坂工事中』にリニューアルして現在も放送中。『会いたかったかもしれない』のスタジオライブは #15「メンバーを個人面談!あの曲を初披露!」内で披露。
*5:僕は初期の『乃木坂ってどこ?』の「右も左も分からない少女たちが“おとな”に無理矢理やらされている感」にとても惹かれるものがあった。過酷な状況下で急に光を放ち始める子がいて、次に光る子が誰なのか予測不能な感じが面白かった。しかし、この「やらされている感」が必ずしもアイドルに必要とは限らないし、どのようなアイドルが人の心を掴み、応援されるのかというのは常に更新されていくもののようにも思われる。